Young Adult (2011)


3.7点

監督:ジェイソン・ライトマン
脚本:ディアブロ・コーディ
出演:シャーリーズ・セロンパットン・オズワルトパトリック・ウィルソン、エリザベス・リーサー

映画館でみる必然性はないけれど、でも私の青春コメディ映画コレクションにDVDとして並べておきたい作品。シャーリーズ・セロンの映画を見たのってこれが初めてかも。とてもキレイな人。それに肌がこんがりしているような気がするのは、南アフリカで育ったせい!? それは関係ないか。 スタイルも抜群で、Woodyというバーに行くときにそれまでヨレヨレのズボンしかはいていなかったのに、いきなりタイトなスカート姿になって、足の細さとスタイルのよさにおったまげたですよ。
37歳、Sweet Valley Highというヤングアダルトシリーズのゴーストライターをしている主人公メイビス。高校時代にモテモテ全盛期を過ごした彼女は、大人になってもその時代の自分を捨てきれないでいる。学生時代に4年間付き合っていた元カレと自分は結ばれるべきなんだと思い込み、地元の田舎町マーキュリーに里帰りをするのだが、彼は結婚し子どもも生まれ幸せな家庭を築いている。それでも、自分は彼を取り戻すべきだという、半分精神病のような異常さで懲りずにアタックする。最後にやっと「自分だけが過去にしがみついている」ということに気がつくが、ふと考えるとそんな人は現実にたくさんいるんじゃないかとも思う。
私だって、今の自分が成長した自分だとは思っていない。子どものころまんま、学生のころのまんまの自分だと思う。これはどれだけ年をとっても、「基本」は同じってことなんだろうね。私はそんなことをふと考えてしまったけれど、この映画で言いたいのは、「基本」の部分じゃなくて、「華の時代の自分」から抜け出せないでいる一人のさみしい女性のことなんだよね。ま、そんな人もいるのかな。私自身のまわりにはそんなタカビーな人はいないけれど、案外いるのかもね。

この映画を見て、一番強く思ったことは、同じ世代の感覚や気持ちというのはアメリカ・日本ではほぼ差はないってこと。大人になって都会に出て、田舎に戻るあの感じ。気持ちだけじゃなくて、地元の風景の見え方とか、友達との再会とか、いろんな描き方が日本映画やドラマにもあるまったく同じものがあるなと思ったんだよね。私が初めてアメリカに行ったときに、ひろーい駐車場が真ん中にあって、それを囲むようにいろんなお店が合体しているショッピングセンターみたいなところを見て、「うわー、アメリカって広くてすごいな、すすんでるなー」なんて思ってたけど、あの景色は都会に住んでいるひとからすると立派な「田舎の景色」なんだね。その感覚がすごくおもしろかったんだよね。
あと「ケンタコハット」ね。よく見かけるよね、KFCとタコベルとピザハットが合体したファーストフード店みたいなやつ。そんな風に言うんだね。おもしろい!

一番最初、メイビスが住んでいる都会はニューヨークかなって思った。でもあそこがミネアポリスで、田舎がマーキュリー。大都会=NYではなく、ミネアポリスっていうところが、ディアブロ・コーディの地元感の強さが感じられるわ。コーディさんはたしかミネアポリスでストリッパーやってたんだよね。彼女の本当の地元なんだね。

それから、ジェイソン・ライトマン監督。『JUNO』も『サンキュー・スモーキング』も大ファンですよ。それにしてもお父さんが『ゴーストバスターズ』『抱きたいカンケイ』の監督アイバン・ライトマンだったなんて、しらなかったよー。早く言ってよー(笑)

それにしても驚くのが、この映画はたったの30日間で撮影されたということ。よくこんな短期間でできたよねー。あと、最後のエンドロールでSound mixerみたいな肩書きでケンイシイの名前があったような気がしたのだけど、あれは錯覚なのだろーかー。ナンナンだろーかーねー。