Mépris, Le (1963)

4.5点
邦題:軽蔑
製作国:フランス/イタリア/アメリ
監督/脚本: ジャン=リュック・ゴダール
出演: ミシェル・ピッコリブリジット・バルドージャック・パランスフリッツ・ラング

ある出来事をきっかけに突然仲が悪くなってしまう夫婦の話。ただの喧嘩でしょー、と思えるんだけど(私も途中までそう思ってた。ってか、二人が自宅に帰ってきてからの会話で"愛"とか"男女"がテーマなんだ、と気がついた次第です。)とんでもない!!!ブンブンブン(首を大きく横にふる動作)!!!このささいであるように見える小さな変化を、壮大なスケールで描いているなと感じます。別にセットが豪華だとか、CGがすごい、とかそういう「壮大なスケール」ではなくて、映画に盛り込んでいる裏要素(もしかしたら表要素かもしれない・・・)が私が未だに飲み込めない哲学とか詩とかの話なんだよね。それも、ギリシャ時代のホメロスだとか、ユリウスだとか、昔の人の言葉とかいっぱい出てきて、それぞれの意図もちゃんと理解するとまたこの映画はさらに深いものになるんだろうね。私は情けなくも勉強不足(もともとの知識の浅さが響いてる。)で、それら哲学人の名言やら歴史やらの背景にはついていけない部分がたくさんあったのよねー。ただでさえ頭の回転速度遅くて物事を理解する処理効率が悪いのに、映画のスピードで字幕にチョロっとそんな深い言葉をバンバン並べられてもねー、一瞬で理解できる訳ないって。でもそこの所は割り切って、仲が悪くなってしまった男女の行方だけに焦点をあてて鑑賞してみた。
ゴダールって何?何者?ヌーベルバーグの人?ヌーベルバーグとよく騒いでいるけど、超単純にこんな感じの映画がもっとたくさんあるって言うことなの!?そうだとしたら、やっぱりすごいわ、天才さんです、ジーニアス。あれ、でもこの映画はもともと原作があったのか?ってことは私がゴダールさんの手柄だと思っているところは履き違えているかもしれないけれど、この映画を見て思ったのはね(自宅で二人が喧嘩をしているシーンあたりから始終思っていた・・・)、「言いたくないこと、言わなくてもいいこと、自分でも理解できないこと」ってあるあるあるある、あるーと思った。もちろん女性カミーユの視点からだよ。そうなんだよ、いくら「理由を言え」って言われてもさ、自分でも分からないんだもん、まとまってないんだもん、気持ちや感情だけモヤモヤしていて「ああもうダメだ」っていうゴールはもう見えちゃってるんだけど、その過程は説明できないんだってー。こんなところに共感しているのは私だけかもしれないけれど、でも他にもこんな言葉にできないけど"分かるモノ"・"共感できるモノ"ってあるのかなー。私の私見だけどフランス映画って(フランスの監督と言うべきか・・・)ってやっぱりそんな哲学サイドに近い感覚だよね。いやー、だからむしろ、今になってフランス映画が見れるようになってきたのかも。もっと若いころだったら絶対に「つまんないじゃーん、やっぱフランス」とか言ってただろうな。でもね、今はね、少し違うな。面白いと思うよー。ちなみにこの間のトリフォー監督作品デビューに続き、これは私のゴダール監督作品デビューになりました。今年見ている映画はなにか、今までのとは違うねー。歳とかも関係あるんだろーね。経験値上がってるからねー。(上がってるハズ!!)
映像もキレイだったわー。私も赤いソファが欲しくなっちゃったわー。
白い壁の部屋に赤いソファー。体全体が隠れるほど大きいバスタオル。
それをギリシャ人風に巻いていた(バスタオルなのに片方の肩から斜めがけ)男性ポール。
家に帰って来たらフランス人でも冷蔵庫からコーラ飲む。
この年代の女優さんの髪型に私は憧れる。ブリジットバルドーは愛称BB。私はJB(笑)。

映画 軽蔑 - allcinema
Keibetsu (1963) - IMDb