Comme une image (2004)
Look at me(米)


4点
邦題:みんな誰かの愛しい人 製作:フランス 
監督/脚本/出演:アニエス・ジャウィ 脚本/出演:ジャン=ピエール・バクリ
音楽: フィリップ・ロンビ
出演:マリルー・ベリ、カイン・ボーヒーザ

DVDに付いていたメイキング画像を見る前までは3点台だったんだけど、メイキングを見て4点に跳ね上がってしまった!!メイキングだけで1時間弱映像入ってます。それも撮影の細かい裏や映画の手法などが何気なく丁寧にたくさん盛り込まれていて、素人の私なんかが見ると、「おお、こうやって撮影しいるのか!」「こんなところにアシスタント君が転がっていたのか!(画面では見えないところに)」という驚きがあって面白いのです。それにまさか出演者のあの彼女(声楽の先生であり、文筆家の妻であるシルヴィア)が、監督だったなんてねー、驚いた。それにあの傲慢なもう1人の文筆家であるエチエンヌが彼女の旦那様だったのねー。脚本も二人で共同執筆している。この撮影のあとに別れてしまったみたいだけど。メイキングをみてポイント上がったのは映画には映らない裏が見えたこと、その裏に隠されているスタッフや製作者の努力、こだわり、丁寧さみたいなものが見えたからかな。でもこの映画のいいところはそこだけじゃない。フランス映画だから、私はまだこの独特の感覚にちょっと慣れていないだけなのかもしれないけれど、でもにわかにほんわかとこの映画の構成や演出には「斬新さ」があると思ったなー。もしかしたらそれは翻訳の影響もあるのかもしれないけれど(フランス語なんて分からないので日本語訳を見るしかない・・・)、前半からいきなりこの家族の構成や歴史についての説明が一切出てこないんだよね。でもどうみても父・娘・継母・継母と父の娘という家族。まぁね、どうみてもこの妻は旦那の年齢に対して若いし、見れば分かるんだけど、それ以外のところでも「暗黙の了解」を得てして進むんだよねー。見れば分かることはいちいち映像にしない、あえて飛ばす、あえてカットするっていう手法が面白いとおもったー。この映画に関係があるのは文筆家の業界と声楽(オペラ?)です。映画音楽としては至るところにオペラがたくさん使われていて、始めはおもーい雰囲気の映画になるのかなーと思っていたんだけど、使われている音はとてもゆったりしていて心を休ませてくれるようなタイプのもの。このやさしい声でフワーリ、とろーんとした感じと、さっきの'暗黙の了解はカット'手法がとてもうまくコンビネーションされていて、飽きないのよ。そこがとってもよかった。これはやっぱり脚本と監督を手がけているアニエス・ジャウィさんの功績だよね。もちろんパートナーのジャン=ピエール・バクリさんも。と、言うわけで彼女の映画はまた見たいと思います。もう一つ監督作品があって、それは「ムッシュ・カステラの恋 (1999)」です。
私は悪い癖で、いつもは自分が共感できる映画をいい映画として評価してしまうんだけど、この映画はそうじゃないってこともちょっと分かった気がするなー。特にストーリーに感動したとか、共感できるとかはないんだよね。主役のロリータちゃんいついてはこんな子、正直面倒くさいし、友達としても彼女としても非常に手のかかるタイプだと思うのよね。私はそういうのダメなんだ。だから共感どころではないんだけどね、でも全体的には好きな映画です。
またここで文句いうのは嫌だけど、今回3カ国のDVDジャケを並べてみたんだけど、どうみても日本のだけ雰囲気変わってない?しかもなんで"Look at me"が「みんな誰かの愛しい人」になっちゃうんだ!?
あと、そうそう、フランスについて思ったこと。アメリカの家もフランスの家もまぁ、一般の庶民の家だとモノが多くて家が(日本より)広い割りにはごちゃごちゃしているなーと前から思っていたんだけど、決定的な違いに気が付いてしまった気がする!アメリカのごちゃごちゃ感は新しいもの、不要なものをじゃんじゃん買って消費しきれない、結局使わないものだった・・・みないな物質が多いと思うんだよね。対するフランスは、決して新しいモノとか買物をしすぎとかそうではなくて、古くて歴史的な(よく言えばアンティークな感じ)のものが時間をかけて家に蓄積されていったという雰囲気だよね。だからフランスの家の部屋って「古い」イメージ、アメリカは基本的に新しいもの好きの「新しい」イメージ、例えアメリカの家/部屋に「古い」イメージがあってもそれは後から演出として、あくまでインテリアとして装飾されたものなんだよなーと思いました。(もちろんアメリカにも古い家はあるけど、やっぱりフランスとは年期の入り方が違うのではないかという憶測です。)

映画 みんな誰かの愛しい人 - allcinema
Comme une image (2004) - IMDb