スターガール / Stargirl (2001)
ジェリー・スピネッリ (著), Jerry Spinelli (原著), 千葉 茂樹 (翻訳)

いかにも洋書っぽい色合いと、このタイトルにひかれて図書館で手にとってしまった。手に取った瞬間の私の想像では、なんとなく『GossipGirl』のような学園設定で、さわやかブルー+キュンとピンクな雰囲気と、ちょっとはネチっとした恋愛ものなのかな〜、とかなり勝手に思っていたんだけど、まったく違いました。この本を読み始めたその日、打ち合わせ室で会議をしていると会社の本棚にもこの本があった!!一応名作や売れた本などは会社で買って、本棚にズラーっとあるのだけど、その中にあるくらいだからきっと、まぁそれなりに有名な本なんだということはここで分かった。で、次の日も朝の電車で読んでみたりしたけれど、借りる時に勝手な想像をふくらませてしまった分、どことなく、なんとなーく物足りない感が……。だってまず舞台はアリゾナ州でしょ。どちらかというと田舎町の高校に、それまでホームスクールだったスターガールが転入してくる。(翻訳の中では「ホームスクール」という単語はでてこなくて、それまで学校には行っていなかった、という設定になってたのが、ちょっとひっかかりました)スターガールはかなりの変わりもの、キャフェテリアのランチタイムに、いきなりウクレレを演奏しだしたかと思ったら、転入してきたばかりでまだ友達なんていないはずなのに、いきなりハッピバースデーの歌をその日誕生日の子に歌ってあげたりしちゃうのだ。その他にも、全く知らない人に誕生日プレゼントを差出人無名で届けたり、町中の掲示板をチェックして困っている人がいると助けにすっ飛んでいったり、学校のバスケットチームの戦いでは、負けそうになっている相手チームの応援をしちゃったり……。何も悪気はないんだけど、まわりの生徒からは「ただ目立ちたいだけじゃん!」「敵チーム応援するなんて、許せない」みたいな空気になって、そしてイジメに発展して行っちゃうのよね。それでもスターガールはバレンタインの日に主人公マイカ君にアプローチし、アプローチされちゃったもんだからそれまでは第三者としてしかスターガールのことをみていなかったのに、その日から急にスターガールのすべてきが気になってしかたなくなってしまう。…と、ここらへんまでストーリーが来て「は!」と思ったんだけど、一応高校が舞台なんだよね。この本の表紙の色のせいだか、場所がアリゾナ州だからか、男の子が語り部側の男子視点からの描写なのに妙に幼稚じみている書き方に見えるからか、確かな原因は不明だけれども、どうしてもこの話が高校生レベルに成熟した人の話だとは思えないのよね。絶対に、中学校で設定した方がよかったんじゃないかなーと思う。
この著者のスピネッリさんは91年にアメリカの最高児童文学に与えられるニュー・ベリー賞を取得している。 ここで思ったんだけど、他の国の文学小説を細かく調べるのはおもしろそうだね。今みてみたけど、やはり日本にちゃんと翻訳されて届くのは、受賞から3〜4年はかかるようだ。こんなに待っていたら、おもしろくないじゃんねー。
話はそれてしまったけれど、この話が幼稚に感じてしまったのには、おそらく翻訳の影響もあるのかな。んー、つまらなくはないんだけど、そんなにすっごい面白いってワケではないね。ただ、これが映画化されるとあったので、スターガールを演じるのは誰だ!と必死になって調べてみたら、映画メイク権は映画会社に譲歩されているけれど、実際のところはまだ映画の撮影も始まっていなそうだ。続きの『LOVE・Stargirl』があるみたいなんだけど、どうしよう。次に読むとしたら原書かな。この違いをはっきりさせるためにも。