Where the Wild Things Are(2009)
3.8点 (as a movie maybe it's about 3)
監督:Spike Jonze
製作:Tom Hanks(why?)
出演:Max Records (as MAX)

絵本が好きで、子供に見せた親のかたはがっくりしたでしょうね。完全にオトナ向けにできている。私は『かいじゅうたちのいるところ』に深い思い入れがあるわけではないけれど、でもパラパラと何度か読んで(仕事でね、、、)何か惹かれるところは確かにあった。だって出てくるかいじゅうがかわいいし、愛きょうあって、すごくあたまに残るんだもん。あれはイラストの強さもあるでしょう。そして絵本だから、声のイメージとかも自分オリジナルのものになるし、描かれている世界読んでいる人全員分あるのだろうし。そう思うと映画を見てがっかりした面もあり、けれどもその絵本の世界を監督なりに、監督のオリジナルの世界として創作したものとしては非常にスゴイと思う。「スパイク・ジョーンズのwild thingsはそこなわけね」って感じ。子供としてではなく、監督が描きたい遊び心、子供の気持ち、悩み、爆発、楽しさ、喜び、などなど、があふれている。その中にはすごく共感できるし、さすがこれいいね、って思える点もたくさんあったのだけど、映画としてはストーリーのつなぎかたが少し粗いように思えたな。心情の描き方にすごく無理を感じる場面多し。だから映像としてひとつひとつの感情や場面はとてもクリアだし、的を得ているんだけど、映画全体としては腑におちないところある。

あのときのマックスはああだっただろうな、私だったらああするのになー、という風な感想が映画を見た後に出てこなかったんだよね……、だから心情的にはちょっと弱いのではないかという勝手な推測。もしかしたら、もう一度見ればまた違った感想になるのかもしれないけど、今はこれで十分かな。

それにしてもDVDの特典についていた制作の裏側の映像では監督のスケボーシーンとか、子供たちに映画を撮らせてあげたりとか、そんな雰囲気はものすごく楽しそうだった。

スパイクさんはいろいろわかっている。人気があって彼のことを「できる人」だと評価している人もたくさんいるみたいだけど、きっと素直にやりたいことやってるだけなんだよ、この人は。もちろん私たちには見えないところですごく深く考えてたりするのかもしれないけど、基本は発想が柔軟で楽しいこと、おもしろいことをがんばってる人なんだって、私は思っていたい。

映画の中でフクロウの声で出演していたよ。