Groundhog Day (1993)
邦題:恋はデジャブ
4.2点 
監督/脚本: ハロルド・ライミス (ゴーストバスターズシリーズ、アニマルハウス、ホリデーロード4000キロ
出演: ビル・マーレイ(フィル)、アンディ・マクダウェル(リタ)、クリス・エリオット(カメラマン)

「おもしろいよ」とススメられてから約2年くらい経って、やっと見た。ダディに「見たことある?」と聞いたら、「Of course, it's great movie. スンバラシイよ。でもなっちゃんにわかるかなー、スンゴク奥が深いよ〜〜(ニヤニヤの笑)」という回答だったので、お、やっぱり有名な作品で何かあるワケだ、早く見なくては、ということでついに見たよ。

ニーチェがどうのこうのという話があたまの隅にあったけれど、そんなこと私にはさっぱり分からず意識していなかたけれど、でも同じ日を毎日繰り返していく中で、フィルの行動がだんだん変化してくるところが人の心理をあばいているようなところがあって、それが何か難しい哲学的なところにつながるんだろうね。私は「哲学」がいちばん苦手な学問なので、深く解析したりつっこんだりはできないけれど、でも「何をやってもまた今日に戻る、死んでもまた同じ日がやってくる」ことがわかっちゃうと人は何をするんだろうね。ってか、私だったらどうするかなー。やっぱり普段は恐くてできないことをやるだろうね、仕事には行かないで、お金をいっぱい手に入れて、好きな洋服いっぱい買って……、で、無茶をしても(それこそ死んでも生き返る)平気ってことまでわかっちゃったら、危険なこともしたくなるしねー。太ることを意識しないで思いっきり甘いものを食べたい!ってふと今あたまによぎったんだけど、でもこの場合、体重はどうなるんだろう。体重も一日前のものに戻るのかな。ナゾだわ……。でもビルマーレイもコレステロールを気にする必要ないって、テーブルいっぱい甘いもの並べてケーキほうばってたよね、OK.じゃ、大丈夫だ。

Groundhog Dayってなんなのか?聞いたことなかったし、映画を見ていてもイマイチよくわからなかったので、調べてみたら日本でいう「立春」のイベントみたいなものなのね。春が来るタイミングを冬眠する動物(groundhog=ウッドチャック)を使って占いをする行事なんだって。ペンシルベニア州のパンクサトーニーという町(映画にも出てきたネ)で開かれる儀式が有名でアメリカではまぁ、一種の伝統的な行事みたいなものになるのかな。それこそテレビ中継されて、世間のちょっとした共通のネタになる、感じかね。「紅白歌合戦、どっちが勝った?」みたいな(笑)。ここでやっぱりいいわー、と思うのがまず動物がウッドチャックってなんかかわいいじゃん、それからこの儀式を運営しているクラブがあるんだけどその人たちが無駄にもタキシードとシルクハットを着てちゃんと登場するっていう、このコンセプトがいいよー。多分パンクサトーニーって小さい町でそんなに都会でもないのに、こういう行事を大切にしてそれをちゃんと盛り上げるために動く人たちがいるっていうローカルな感じがいいわ。もちろん日本にだってあるし、おんなじようなことしている人たちはいるんだろうけど、なんかアメリカらしいバカっぽさというか、ノリみたいなのがあって、それが好き。

この映画の監督はゴーストバスターズシリーズも手掛けている。それに本作にも医者の役で登場しているみたいね。ホリデーロード4000キロも監督しているし、んー、私が未チェックだったわー。この映画を見て思ったけど、すごく些細ないろんな感覚が私が好きと思えるソレとマッチするわー。だから映画の趣旨(デジャブ)も面白んだけど、そのほかのディテールに感動する部分も大きかった。サントラはもちろんでしょ、女の人口説いてる最中に雪だるま作ってたら子どもに雪玉投げられて雪合戦とか、公園の小さな誰もいないホールでダンスとか、後半のダンスパーティのシーンもよかった。この映画を撮るのに、GroundhogDayを取り上げているところがもうポイント大きいよね。他のイベントでもよかっただろうに、でもGroundhogDayにしたんだもんね。
ビルマーレイらしさがふんだんに出ていて、よかったんだけど、この映画の後、監督とビル・マーレイはちょっと決裂してしまってみたいよ。ビルはもっと哲学路線に、監督はもっとコメディ路線に仕上げたくて、意見がうまく合わなってしまったみたい。でもどちらの主張もわかるよね、どちらもこの映画の大きなコンセプトだし、どちらの路線にも向かうことはできたかもしれないけど、でも結果としてすごくバランスがいいところで収まっているんじゃないかなーと思うけど、みなさんはいかがでしょうかね。

これからもう一度町山さんの特電を聞いてみようと思います。特電を聞いてからここに書くとすごく影響されちゃいそうだから、聞くまえに書いておいた。ほんと、影響されやすいからねー、わたしは。私もよくデジャブするんだけど、一回くらいならこういう現象おきてほしいくらいなんだけど。ウッドチャックさま、プリーズ。

 



(フィルが最後にtoday's tomorrow?と言うのが印象的)