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物語の役割 小川洋子著
この本を読み終わったのは2月11日。米沢に温泉旅行に行くのに、新幹線の中で読もうと持ち込んで帰りの車内で読み終わり。2週間前のことだから、感想は薄くなっちゃったかな。でも、1泊二日の旅行に携帯するのにはちょうどよい感じ。
小川洋子さんが子どもの頃から小説家になるまでのさまざまなエピソードが語られていて、非常におもしろいよ。小川さんにとって、物語(ここではあえて、小説とはせずに「物語」とする)はなんなのか、どんな風につむがれていくのか、生み出されていくのか、その過程がとても親近感が持てる温度で書いてある。小説家が書く物語ってものすごく、手が込んでいて、奥が深い、作りこまれたものなんだろうって思いがちだったけれど、小川さんの物語が生まれてくる工程はそれとはちょっと違った。
基本は私なんかもよくする妄想とおんなじ。そこがいい。特に小川さんが子どものころ、洋服のボタンがうまくはめられなくて、ボタンに物語を作ったというエピソード、これがかわいらしくてよかったな。それから「数学」という学問との出会い。私はまだ『博士の愛した数式』は本も映画も見ていないけれど、見てみたくなったよ。
いろいろ感想はあったのだけれど、もう記憶が薄れてきているので、ドッグイヤーしたところだけ記しておこう。
- ポール・オースターの『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』。この中の短編がまるまる一作紹介されている。タイトルは『数学的媚薬』。これが3ページほどの超短編なんだけれども、ヒジョーによいの! もうね、涙でちゃうのよ。
→この短編の中にも登場するのだけど、『フェルマーの最終定理』は気になるね。私も読んでみたい。
- もうひとつ収録されている短編『ファミリー・クリスマス』。これも、ヒジョーにいいの! 私もこんなクリスマスギフトを贈ってみたいです。
- 小川さんが好きだった児童小説として紹介している『トムは真夜中の庭で』(フィリパ・ピアス著)。これも読みたい。
『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』は英語版がうちのどっかにあったような気がするんだけどなぁ。英語の勉強にもなるし、探して読んでみよっと。