ハロウィーンがやってきた / the halloween tree (1972)
Ray Bradbury (原著), 伊藤 典夫 (翻訳)

レイ・ブラッドベリを読むのは2冊目。始めは『たんぽぽのお酒』。一つ前に『ノリー…』を読んでいたので、立て続けに児童文学を読んだということになる。大人になってから児童文学を読むって、やっぱり子供の頃に読むのとは違う。子供の視線でまた本が読めるようになりたい、と切実に思うよね。もう私は大人になってしまったので、大人の視線でしか読めないことはとても残念、それでも一生懸命想像力を働かせて、自由度の低くなってしまった頭でアレコレ状況を思い浮かべながら本を読むのは、一種の「頭の体操」みたいなもんだなと思ってしまったよ。それだけ意識して頭を働かせないと、ストーリーのいいところを読み逃してしまうんだよね。何が言いたいかというと、それは最近は大人向けの本を読む方がラクってこと。かなしいかな…。
どうしても自分の読んだ本のそのままの本の表紙を残しておきたくて、思わず写真をとりました。最近発行されているのは、もう表紙が今風になっていて、昔のものとは違うのよね。昔の表紙もなかなかイケてると思うんだけど。
Trick or Treat」に行くために、お化けのコスチュームをまとった少年8人。あと1人みんなが大好きな友達のピプキンを含めて全部で9人。「ピプキン??」この人名を見てすぐに「お、パンプキンとかけているのかな」と考えてしまい、真相はどうだかしらないけれど、ハロウィーンテーマの話のなかにパンプキン系の人名が入っているということで笑ってしまいました。8人の少年たちはハロウィーンを楽しみにしていたし、大好きなんだけど、いきなり現れたハロウィーンの使者マウンドトラウドさんに連れられてなんと世界一周をしてしまう。この世界一周の中で、「ハロウィーン」というイベントがどのようなことに由来しているのか、何から発祥しているのか、そもそも何なのか、という解明をしていくんだよね。古代のエジプト、魔女狩りアイルランドの民族論争……などの場所に8人は飛び降り、1人行方不明になっている友達を助けようとするんだけれどもなかなか上手くいきませんで、結局最後はとても感動的なラストが待っています。少年達がハロウィーンという奇妙なお化けに囲まれつつ、大冒険をしつつ、そして友情も育むというたしかに子供向けのストーリーなんだけど、それでもエンディングはうまくきれいにまとまっていて、涙ちょうだいしそうにはなりましたね。あー、もうだめだ、今日は眠い。眠い。寝よう。