悲しみよこんにちは』 - Bonjour Tristesse (1954)
フランソワーズ・サガン

以前、どこかでこの作品は読んだことがある。でもその時はアンヌが登場するくらいのシーンまでしかなくて、(何かの紹介とか抜粋とかで読んだのかなー)どこでどう読んだは覚えていないけれど、でもこの女好きで甘い父親と、17歳の少女がフランスのビーチで別荘を借りてバカンス、そして父親の愛人、また理性的でなんでも完ぺきにこなしてしまうアンヌ、この登場人物で展開されるひと夏の物語。それも著者は18歳。ロケーションはフランス、真夏のビーチ、真夏の太陽に焼かれながらビーチで焦がれる少女と大人同士のせめぎあい…。んー、んー、んー、これはよいね。少女の葛藤や恋心、反抗心、ねたみ、嫉妬、etcいろんな17歳の感情がリアルに、それもフレンチ風に描かれているから、私なんかはひかれちゃうんだろな。一緒にいる父親は友達みたいなもんで、一緒にお酒も飲むし、タバコは公認、公認どころかすすめられちゃうんだから、おフランス〜、自由で嫌なことは一切しません、みたいないっけんわがままそうな性格が普通として通っちゃう国なんだから、やっぱりおもしろい。最近、フランス映画だとか、フランスの哲学だとか(ボーヴォワールを最近知って興味を持ち始めたばかりなんです…)、そんなんで私の中でのフランスがどんどん大きくなっているような気がします。もちろんダントツ1はアメリカなんだけど、だからこそその対比が面白いんだよね。本書のなかで一番よかったのは「結婚が恋愛の墓場なら、会社は夢の墓場だよ」ってとこね。さすがフランス〜。
そしてこれも本当に偶然なんだけど、ちょうど本を読み終わってネットで検索したら、サガンの自伝とも言える映画がそれも「悲しみよ、こんにちは」のタイトルで今月から公開されているではないの!全然知らなかった。当たり前だわね、サガンを知らなかったんだから(笑)。この本を読もうと思ったのも、MDKさんのブックガイドを持って図書館に行ったら、他の本はどうもマニアックすぎて、図書館には所蔵されておらず、この本は唯一見つけられた、ってだけなんだよね。それにしてもこれもきっと何かの縁が働いたに違いない。映画もすごくおもしろそうだよ。映画「ロイヤルテネンパウムズ」のグゥイネス・パルトローが演じるマルゴットはサガンがモデルなんだって。wikipediaの情報で申し訳ないけど、でもへぇーって感じするよね。

http://www.sagan-movie.com/page.html