太陽の塔 森見登美彦著 (2003)

ヨムヨムの最新号で森見さんを知った。ヨムヨムはたいてい、自分に馴染みのある作家さん⇒聞いたことのある作家さん⇒目次でタイトルに目がとまった作品⇒最後の著者索引で気になる人の作品、という順序で読んでいく。森見さんをしったのはこの最後のステップ。1979年生まれ、ということで自分とひとつしか歳が変わらないのに作家さんだなんて気になる、読んでみたい、と思い出会った作品。その短編には、『四畳半統括委員会』というキーワードが出てきて、この時点でもうものすごく惹かれた。だって、なんかもうおもしろそうな匂いじゃない? でもヨムヨムに収録されていた短編は別の作品の続編、というか完結版ではなかったので、また気になってさらに調べてみると、なんとこの『四畳半統括委員会』は今月からアニメ化され深夜の時間帯に放送が決定とのこと。ナイスタイミングだね。……と、まぁこのような感じで森見さんを知り、『太陽の塔』にたどり着いたのです。
太陽の塔』とは岡本太郎の作品で大阪の万博の記念品として残されているらしい。そんなの全然知らなかったけど、本書を読んでものすごく行きたくなってしまった、目にしてみたくなってしまった(一度だけでなく、なんどでも)。
京都を舞台にした持てない大学生の恋に恋する切ない感じをユーモラスに、(私くらいの)薄学者でもピンとくるような文学的な比喩、描写などが現代的で、要するに年代が近いからそのあたりの感覚が一致して、とても読みやすかった。最近はまったく本を読む習慣がなくなっていたのだけれども、これで少し回復した気がします。ありがとう、モリミー!Thank you.
今年は読書年なのよね、もっといろいろ読もう!

(4/20追記)2009-06-27のエントリーでモリミーの本『恋文の技術』をチェックしていた! すっかり忘れていたのに、やっぱり気になるものは気になるんだね。忘れていたことにがっかりしつつも、でもこうやってまた巡り合える嬉しさも味わえたので、非常によろし。