秘密の花園 三浦しをん (2002)


名前を聞いたことがあって読んだことないなーっていう作家の本を10冊くらいまとめてブックオフで買った。そのときの1冊。三浦しをんさんて、もっと年齢が上の人なのかと思っていたら、現在35歳。思っていたよりも若い。

私よりも4歳上。年齢が近いということもあって、青春を描いた作品ということでこの本を選んでみた。背表紙に「記念碑的青春小説」って書いてあったし。

カトリック系女子高校に通う3人の女子の物語。ひとりは早くに母親を亡くして、父と兄と暮らす那由多。子どもころ痴漢にあい、何かしら傷を負っているのだろうけれど、その傷についての深い描写はない。彼女の抱えている悩みキーワードは「痴漢」(かな?)。
二人目は幼稚舎からこの女子高に通う裕福な家庭に育った淑子。若い国語教師と体の関係を持ち、本人は本気だが、先生からは軽く扱われ悩む。先生から愛されたいということしか頭にない。彼女のキーワードは「恋」とか「愛」かな。三人目は、いつも本ばかり読んでいてあまり友達を作らないクールな翠(すい)。彼女のストーリーにいたってはキーワードが導きだせなかった。

つまり、いまいち何が言いたいのか、何を表現したかったのか不明瞭なままになってしまっていて残念だったな。最初の那由多だけを主人公にして、そのままもうちょっと大きな主軸のストーリーがあったほうがよかったと思う。著者本人が学生だったころのことをベースに書かれているんだと思うのだけど、まださらけきれてない、煮えきれてない感が出てるかな。

もう一冊、『まほろ駅前番外地』を買ったからそれを楽しみにしておこう。