The Door into Summer (1957)
Robert A. Heinlein

夏への扉』 ロバート・ハインライン
この不思議なコンビネーション(この色合い!松?そして、女性のアメコミ感!)と時代を感じさせるSF感な表紙・・・これを洋書半額セールコーナーで見かけて、手に取ったのがこの本を読んだきっかけ。洋書ペーパーバックでありながらしっかり腰巻をつけて、そこには「世界三大SF作家ハインラインの最高傑作!」なんて書かれちゃっていたので、思わず飛びついてしまったー!いつものごとく予備知識なしで手に取ったにしては、有名な作品だったみたいで、調べたらwikipediaには以下のように書いてありました。

ロマンティックなタイム・トラベル物『夏への扉』は特に人気の高い作品であり、日本でのSFファンのオールタイム・ベスト投票では、度々ベスト1作品になっている。

内容は、最後の本当にオチのところまではなかなか楽しめたんだけど、最後の最後で「なにー!」と思わせるエンディングにより一気に引いてしまった・・・。これは言いすぎかもしれないけれど、人体の冷凍保存やタイムトラベルといった魅力的な要素を存分に駆使して、それこそ「BACK TO THE FUTURE」にすら影響を与えているようなSF古典なのにオチがこれですよ。

タイムトラベルを使って、当時では親と子くらい年齢差のあった二人が、適正年齢で結婚しちゃいました、めでたし。

えぇぇぇぇ!と思いませんか?私だけ??ここで一気にガーンときてしまいました。どうなんだろう、このハインラインさんはこういったシチュエーションに憧れがあったのでしょうか?男の人ならだれでも多少はあるのかなー、まぁ、女の私でも分からなくはないけれど、妙に、とてもグサッとこの部分が気になってしまってもう仕方ないのです。それでも、やっぱり1950年代に書かれた作品なのに、ベースとなる時代は70年代で、そこから未来に移動するとしても何百年も先とかではなくて、実際に人の寿命でイメージできるくらいの年数(未来といってもせいぜい20年後くらいが限度)ってところが、この物語のいいところなんだろな。そのせいで年齢操作して結婚っていうのがアリになっちゃうワケなんだけど、でもこれは画期的な構成のようにも思えました。助演がPeteという猫ちゃんなのよね。この猫ちゃんによってストーリーがよりほぐされているよね。タイトルの「the door into summer」も猫ちゃんの行動に由来しているものだしね。主人公の家にあるひとつのドアについて、その外の世界は一年中夏だと思っている猫ちゃんなのです。幸せのんきな猫ちゃんだよね。主人公はロボットを作るエンジニアで、科学的技術的トークも多く出てくるので、難しい内容に偏りがちなところをこの猫ちゃんが出現することによって、色々な場面をほぐしてくれえます。このユーモアはいいよね。このタイトルもとても人を(私を?)魅了するものではあるのだけど、でもものすごく誰かにオススメしたいって所まではいかなかったかな。でも何事も出会いですからね、このハインラインさんとの出会いを大切に、また何かにつなげて行かなきゃね。
ちなみにこれがサ三大SF作家さん達らしいです。
アイザック・アシモフ
アーサー・C・クラーク
・ロバート・ハインライン