アフターダーク (2006)
村上春樹

とても読みやすいです。簡単な文章なのに、こんなに人を引き込めるのってすごいと思います。文章を読んでいるんだけれども、どことなく「絵を見ている」ような感じ、「映像を見ている」感じに時々なります。それくらいスルスルと前に進めるところが気持ちがいい。ストーリーは言ってしまえばタイトルそのまま、ある深夜一晩の出来事について、眠り続ける姉とファミレスで夜を過ごす妹の姉妹、そして大学生の高橋、ラブホテルで働くカクカクシカジカな人々、違法入国の売春婦、オフィスで働くサラリーマン、これらの登場人物の接点を少しづつつないでいくというのがおおまかなストーリーです。全体が300ページくらいなのに、250ページくらいまで読んだところで、あ、この物語の結末はすべてがすっきり終わるタイプのエンディングではないかな、というのは想像できてしまうんだけれども、それでも私はその感じも好きでした。んー、とっても良かったよー。私はとても好きな作品です。
この本も通勤時間の2日分で読んでしまったよー。もうちょっと浸っていたい気もしたなー。早くこの本の中に戻りたくて仕事が終わるのが待ち遠しくてしかたなかったわ。こんな気持ちになったのは久しぶり。それから、中国語を勉強したくなりました。ちょうどね、中国語を勉強しなくてはいけなかったんだけど、私は全く中国語に興味が見いだせなくて本当に困っていたんだよ。でも、この本をこのタイミングで読んで、「あ、この本の中にでてくる会話くらいは分かるようになろう!」という一種の目標もできたし(かなり強引だけど・・・)、ちょっとはモチベーションが上がったのでそれは良かったわー。相変わらず音楽が文章の中によく溶け込んでいて、そのほとんどの曲は分からないのだけれども、ぜひこの話は再読して、その時にはその曲を別のノートに書き出してゆっくり整理したいなと思います。いつのことになるやら、って感じだけど、でもそれをココにこうやって書き留めておくだけでも、何か意味があるように思えるのよね。