残虐記 桐野夏生
プッツン編集長(私のボス)のせいでめちゃくちゃ忙しくて、肩がこり頭痛がして、目もしょぼしょぼ、電車に乗っている唯一のフリータイムもほぼ寝てしまうというさなか、なんとこの本は読み始めて2日で終わった。この私を吸い込むパワーはなんなのでしょう? 桐野さんの本はほぼいつも読み始めると止まらなくなる。寝る時間も惜しんでよみたくなってしまう。すごい、すごい、すごい! 今日はハトコのオネーチャンに「リトミック」なる児童教育のお話をしてもらったのだけど、『残虐記』を読み途中だった私は、頭の片隅で、景子ちゃん(本書の主人公)の子どもとしての心にどんな変化が起きていたんだろうってことをずっと考えていた。

読み終わってからは、子どもの心の変化というテーマよりも、ケンジと景子ちゃんの関係と事件によって引き起こされた性的人間への変貌、そっちのほうへ頭が切り替わってしまったのだけど、なんかこの二つ(リトミックと『残虐記』)が同時に私の頭の中に入ってきたことが、偶然とはいえなんだか変なしこりを残した。

このあとはカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』がひかえている。楽しみ。

PS:早川書房さんへ
文庫本のサイズがちょっと大きくて、私のブックカバーに収まらないのですがーー。『わたしを離さないで』はカバーも素敵だからいいんだけど、でも文庫本って定型サイズかと思っていたので、びっくりしました。できれば統一してほしいです。