あれから4年…クラリス回想 (アニメージュ文庫)
『わたしを離さないで』を読むと書いてすぐに、全然ちがう本を読んでしまった。これこれ。本棚に『残虐記』をしまいにいったら、目にはいっちゃったんだよね。もう、最近Amazonで買ったまま読めないでいた本がたくさんあったから、今日はいろいろと消化できて、しかもここにちゃんとメモできて嬉しいな。

中身をちゃんと知らないで買っていたから、開いてみてほぼ80パーセントがアニメのクラリスにまつわるシーンの抜粋シーンになっていてびっくりした。そこを読んだだけでも、しみじみこの作品好きだなーという気持ちがじんわりそしてボワッと出てきたよ。

そして最後に掲載されている当時の宮崎駿氏のインタビュー、これが非常によかった。「ルパンは時の子どもだった」と書いてあったけれど、旧ルパンのアニメシリーズを知らない私にとってはとても衝撃的な事実だった。そうかルパンの持っていた拳銃(ワルサーp39)や、乗り回していたベンツはあの時代を先取りしていたものだったんだ。それが人々の興味をそそったという背景もあったんだね。でも、それだけでは物足りない、何かもっと自分たちの(宮崎監督と畑中さん)イメージに近いものにしたくて、今のルパンが出来上がったんだって。相続した財産をすべて使い果たしちゃって、仕方なくドロボーしているルパン。でも確かに今見ても、この仕方なくドロボーしているルパンで間違いないと思う。今の若い世代だって、このルパンに憧れるんじゃないかな。人柄や正確ももちろんだけど、その背景すべてをひっくるめてやっぱりルパンはかっこいい!

クラリスというヒロインがどのようにして浮かび上がってきたか、そして当時のヒロイン像についてのインタビューも非常におもしろかった。やっぱり宮崎さんはいろんな本を読んでいて、自分が子どものときによんだ本の印象的な部分、好きだった部分をしっかりと覚えていて、それが作品にいかされているんだね。私も本は読んでるし、印象的なシーンやストーリーはたくさんあったなと思うけど、それを、今の自分が呼び出せるかといったらそれは到底できないな。だから、そいういう思い入れの強いシーンを作品に呼び起させる力ってすごいと思うな。(私が記憶力悪いだけなのかもしれないけど……)

インタビューによると、ルパンの原作者であるモーリス・ルブランの作品に『緑の目の令嬢』という作品があって、そこからクラリスのイメージができているんだって。この作品も読みたくなっちゃうねー。これかな。

それから江戸川乱歩の『幽霊塔』からもヒントを得ているみたい。これも読みたい!

宮崎監督の映画はどれも大好きで、よく見ているんだけど、宮崎さんの考えとかを本ってちゃんと読んだことがなかったんだよね。でももっと知りたいな。もっと読んでみよう。